ファリダ先生のコラム★「ファリダ先生のあらま〜!先生はピ〜ンチ!」

Alamak! Matilah cikgu!

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Alamak! Matilah cikgu!
ファリダ先生の「あらま〜!先生はピ〜ンチ!」
Vol. 2   男女
"Tangkap basah!"
「現行犯逮捕!」

 ご存知のようにマレーシアの国教はイスラム教で、マレー系は皆イスラム教徒です。その他、インド系はヒンズー教、中国系は仏教と分れています。マレーシアの人々は異教徒であってもお互いの宗教を尊重し、平和に生活をしています。

 イスラム教では男女関係に、厳しい決まりがあります。昼間でも若い男女が家に2人きりで家にいることも許されないのです。マレー系の若者達は、自らそのような事態を避け、礼儀正しく付き合うことを心得ています。それは異性に対する敬意の表れであり、とても重要なことです。



ホストファミリー写真
 それに比べて日本の学生は「異性」という認識が薄いような気がします。異性をあまり意識することなく友人関係を築いていますね。

 しかしながら、ホテルではなくイスラム教の家にホームステイをする際には、語学だけでなくマレーシアの礼儀や習慣を学ぶことも文化を理解する上で重要です。

 私は自分の学生をマレーシアへ連れて行くことがありますが、ホームステイ先ではイスラムの教えに従い、男女で部屋を分けています。しかし彼らは構わずに夜、おしゃべりなどをするために男子生徒が女子生徒の部屋へ自由に出入りしています。本人達に悪気は全くないのですが、これはホームステイ先の家族に対してとても失礼な行為です。

 イスラム教徒の場合は、そのような状態が見つかると、Tangkap Basah! 「現行犯逮捕!」といわれ、宗教警察に捕まり、家族は罰金を払わなくてはならないのです。ですから、ホームステイ先の家族はいつもひやひや。夜も不安と心配で眠れません。ホームステイする側もされる側も相手の事情をよく理解して、お互いに嫌な思いをしないように楽しく滞在してもらいたいのですが、いつもそういった問題に悩ませられます。
 

 また、別の家族の話もあります。ある男子学生はよくホームステイ先のお嬢さん(中学生)に簡単な日本語を教えてあげることがあります。どんなに年齢が離れていても、イスラム教の教えやルールには気を配る必要があります。彼がそのルールをまだ知らなかった頃、彼がお嬢さんと2人きりでリビングルームで日本語を教えていると、お父さんやお母さんがひんぱんに様子を見に来て、いろいろ話しかけて来たことがあり、変に思ったそうです。彼が善意で日本語を教えてくれていることがわかっていても、異性同士を部屋で2人きりにさせるのは、マレー系の両親にとっては許しがたい行為なのです。

 
このような話を学生にしても、外国人だからと気にしないのか、相変わらず男女の部屋を自由に行き来している学生もいます。そうなると、夜、いつものように学生たちが部屋を行き来するのに耐えられなくなったホームステイ先から私あてに連絡があります。私は、"Alamak!Matilah cikgu!" と叫びながら急いで学生のもとへ向かうのです。



★今回のキーワード★

"Tangkap basah!"[タンカッ(プ) バサ] 「現行犯逮捕!」

 未婚の男女が密室に2人きりでいるのは罪であり、その現場に4名以上の宗教警察官が踏み込めば、"Tangkap Basah!"[タンカッ(プ) バサ]「現行犯逮捕!」となり、その場でカルワット罪が確定します。そうなると、罰金刑などの罰を受けるだけでなく、後日、新聞に罪を犯した2人の名前・住所、両親の名前・住所も発表されるため、イスラム教徒にとっては一番の恥となります。

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